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IKI ISLAND

福岡県と対馬の中間点、玄界灘に浮かぶ「壱岐島」。空と海と瑞々しく潤う恵み豊かな大地。青と緑が織りなす澄明な空気の中に佇めば、なるほど“神が宿る島”といわれる理由に気づかされる。
南北約17km、東西約15km。車を利用すれば2時間ほどで一周できてしまうほどコンパクトな島に、美しい砂浜、効能豊かな温泉、多くの景勝地、歴史ある遺跡や古墳、そして行く先々で出会うほど多くの神社があり神々の息吹を感じる神秘的な空気を漂わせている。壱岐島を旅して驚くのはその"豊かさ"。
近海では夏にはイカ漁、冬にはブリやマグロ漁がさかんに行われ、島から広がる岩礁には雲丹やアワビが。また気候が良い上に離島としては珍しく真水が豊富であることで農作物がよく実り、幻の高級食肉・壱岐牛もよく育つという。なだらかな丘陵地には麦畑が広がり、世界に誇る壱岐焼酎の原料にも。小さな島内でミシュランに登録される飲食店が6軒もあるのは、豊かさ所以。登録されていない店のレベルも高く、ふらりと立ち寄るお店も驚くほど美味しい。小さな田舎の離島ではあるものの、閉鎖されている感じはまったくない。旅人をやさしく迎え入れてくれる島の人の懐の深さも魅力だ。風光明媚で、食べ物が美味しく、住む人があたたかい。旅をきっかけにそのまま移住する人も多いというのにも思わず納得する。あらゆる面で豊かで美しいこの稀有な島は、訪れる人を惹きつけてやまない。

STAY
奥壱岐の千年湯平山旅館
Hirayama Ryokan
壱岐島の長所を凝縮した、おもてなしの宿

豊穣の壱岐を味わえる「料理の質も量もすごい!」と評判の宿。玄界灘で取れた魚介類、自家製の無農薬野菜、平飼いの鶏の産みたて卵、幻の壱岐牛など、食材はほぼ100%が壱岐産。「ものすごい量」と心づもりをしていても、その想像の3倍以上はあろうか。残してしまったものはアレンジを加えて再度テーブルに。お刺身ならば翌朝ヅケとして出され、これがまた美味! それでも食べきれないものは「有機農法の畑で利用しますのでご無理なさらずに」と女将。何一つ無駄にはしない循環型の取り組みを行っているのも素晴らしい。技巧を凝らした贅沢な夕食はもちろん、ヘルシーな朝食も人気。約1キロの巨大な壱州豆腐、前夜のごちそうで疲れた胃に優しく驚くほど美味しい自家製野菜、よいものばかりを食べて育った鶏の産みたて卵、近海で釣り上げられた天日干しの焼き魚がテーブルに並ぶ。連泊する際には、朝夕ともにメニューが替わる心づかいも。“壱岐の美味しい”を味わい尽くすなら、2泊3日の滞在がおすすめだ。
また、こちらの温泉は日本屈指の名湯の宿としても知られる。鉄分が多くとろみのある赤褐色の食塩泉は、療養泉の規定値の15倍以上の高濃度。体があたたまり、外傷、皮膚病、神経痛、リュウマチ、婦人病にも高い効能があるといわれる。
高級温泉旅館ながらも、女将をはじめスタッフが皆親しみやすく気取ったところがまるでないのにも驚く。思わず「ただいま」と言いたくなる居心地のよさがなによりの魅力だ。

Info
長崎県壱岐市勝本町立石西触77番地
Tel:0920-43-0016
https://iki.co.jp

壱岐リトリート
海里村上 by 温故知新
Iki Retreat Kairi Murakami by Onko Chishin 
一日中眺めていても見飽きない絶景の宿

「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎 2019 特別版」で日本の離島で初めて “豪華で最高級である5パビリオン”として紹介された5つ星の旅館。とびきり上質な非日常に浸るためだけに、わざわざ訪れる価値を感じられる宿だ。
館内に入ってすぐ目の前に広がる大きな窓からは雄大な海を一望でき、刻々と表情を変える海をただ眺めているだけで心が洗われる。優雅で落ち着きを感じる、すっきりと余白のある館内の空間演出もいい。
全客室12室には源泉露天風呂が備えられ、夕刻には湯本湾に沈む美しい夕陽を眺めながら極上の湯浴みが愉しめる。名湯・湯本の源泉に水を加えることなく、スタッフが湯守として温度を調節しているというこだわりも。干潮と満潮でお湯の出が変わるのは天然温泉ならではの面白さ。そんな大自然との共存を肌で感じるのも至福の時間だ。
食事は、玄界難の季節の素材そのものの味を堪能できる“海里式”の会席料理。海を背景にカウンター席で料理長の丁寧な手さばきを眺めながらいただける、極上の料理をお目当てに訪れる客も多数。
館内には、プライベート温泉、SPAトリートメントルーム、フィットネスジムもあり、お籠り目的の宿としても満足度が高い

Info
長崎県壱岐市勝本立石西触119-2 
Tel:0920-43-0770(受付時間 : 10:00-18:00)
https://iki.by-onko-chishin.com

ACTIVITY
辰ノ島
Tatsunoshima
エメラルドグリーンの海に囲まれた美しい無人島

壱岐島北部・勝本港から船で10分ほどの場所にある無人島「辰ノ島」。エメラルドグリーンに輝く海と、マンモス岩、海の宮殿、大屏風岩など、玄界灘の荒波が創造した神秘的な造形美を間近で楽しめる。強く陽が差す日には海底まで水が透き通り、まるで空に浮かんでいるような錯覚が起こる“宙船”と呼ばれる現象も! 見ることができたらとてもラッキーだ。
辰ノ島に到着したら渡船発着場で船を降り、岸壁沿いに続く細いを通り抜ければ、環境省選定の「日本の快水浴場」に選ばれるほど美しい白い砂のビーチが現れる。小さな子ども連れでも安心して遊べる遠浅で波も穏やかな美しいビーチは、ただ眺めているだけでも癒される。夏季は観光客だけでなく地元の人たちでも賑わい、水やカップラーメンを販売する小さな売店もオープン。無人島ではあるものの、シャワーや無料の休憩棟、更衣室などがしっかり完備されているのがありがたい。

Info
長崎県壱岐市勝本町勝本浦
Tel:0920-42-2020(勝本町漁協)
https://www.kankai.net/jf-k
*チケットは、渡船と遊覧⁨⁩と遊覧渡船の3種。辰の島観光船定期運航は4/1~11/30の期間中は基本9:00-15:30の間で約1時間おき(夏休み期間は約30分おき)に運行。それ以外の時期は、電話で運行時間を要確認。最小催行人数2人。

EAT & DRINK
食堂よしもと
Yoshimoto
地元民で賑わう勝本浦の名店

壱岐島の漁師たちも足繁く通うという名店。玄界灘で捕れた新鮮な魚のお刺身と、勝本朝市で仕入れた食材を香ばしく揚げた天ぷらのセット「天刺定食」が人気。また、とろとろ卵の汁だく「カツ丼」は一度食べたら忘れられないほど印象的な美味しさ! お腹に余裕があれば、人気メニューがすべて揃った天刺定食&カツ丼の「ゴールデンスペシャル定食」を、ぜひお試しあれ。すべての定食に付く熱々の「生かじめ(海藻)の味噌汁」がこれまた、ものすごく美味。

Info
長崎県壱岐市勝本町勝本浦279
Tel:0920-42-0007
営業時間:11:30-14:00(昼)/18:00-20:00(夜)*日曜は昼のみ
休日:不定
https://syokudoyoshimoto.storeinfo.jp

トロル
Troll
郷ノ浦の商店街にあるレトロな雰囲気の洋食店

看板メニューは、ミネラル豊富な牧草で育った旨み抜群の幻のブランド牛「壱岐牛」を使用したハンバーグ。熱々の鉄板に乗せられたハンバーグは、一口噛むごとにしっとりとした肉の旨味がジュワっと口の中に広がる。サッパリとした、店主特製のジャポネソースも絶妙。ブランド牛のハンバーグが1,000円台で食べられるリーズナブルな値段設定もありがたい。大人気のハンバーグは通販でのお取り寄せも可能。
また、自家焙煎にこだわったコーヒーや、懐かしのメロンソーダもおすすめ。

Info
長崎県壱岐市郷ノ浦町本村触526
Tel:0920-47-1233
営業時間 : 11:00-15:00(昼)/17:30-20:00(夜)
休日:不定
https://www.iki-troll.com/

ピッツェリア ポット
Pizzeria Potto
本格ピザ窯で焼く壱岐のピッツァ専門店

「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎 2019 特別版」で“価格以上の満足感が得られる料理”ビブグルマンに選ばれた実力店。イタリアから輸入した本格的な薪窯で焼くピッツァの生地は格別。定番人気の「マルゲリータ」、「クアトロフォルマッジ」のほか、旬の食材を使った日替わりメニューも大評判。5月には雲丹、夏の終わりにはイチジクなど季節の食材を使ったメニューを求めて訪れるファンも多い。観光客の多い夏季は、入店待ちや品切れになることが多いため、予約必須。また、熱々で食べてほしいという店主のこだわりから、持ち帰りは不可。

Info
長崎県壱岐市芦辺町芦辺浦555-12
Tel:080-8380-4701  
営業時間 : 18:00-23:00(L.O.22:00)
休日:日月

モリノカフェ テン
morino cafe@ten 
緑に囲まれた心地よい空間で癒しの時間を

壱岐出身の作家・松嶋圭著書の短編集『陽光』の舞台にもなった診療所を改修し誕生したカフェ。「心も身体も内側から整える創作料理」をコンセプトに、壱岐の食材で、なるべく人工調味料を使わずに、二十四節気の季節に合わせてその時の旬な食材を使って美味しいランチを提供。
緑豊かな美しい庭、木漏れ日に包まれた敷地内はどこも心地よく、その時の気分で好きな場所でゆったり癒しの時間を過ごせるのが魅力。
現在、敷地内に宿泊施設を建設中。数年後にはオーベルジュとしての運営がスタート予定。

Info
長崎県壱岐市芦辺町箱崎釘ノ尾757
Tel:080-1980-9453
営業時間:11:00-17:00
休日:月火 

三益寿司
Sushi Restaurant Mimasu
地元で愛されつづけて65年以上の老舗寿司店

「おめでたい日には三益寿司」といわれるほど壱岐で人気の名店。あたたかく客人をもてなす女将さんの人柄にも定評あり。
目玉は、玄界灘の恵みがたっぷりつまったボリューム満点の「海鮮丼」と「特上にぎり」。新鮮なネタは、艶やかで瑞々しく、どれも大きい。春から秋にかけて雲丹が捕れるシーズンには「雲丹丼」も人気。確かな味を求めて島外からの訪れるファンも多数。人気店のため、予約をしておくと入店がスムーズに。

Info
長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦74 
Tel:0920-47-0268
営業時間:11:30-14:00(昼)/18:00-22:00(L.O.21:00)(夜)
休日:不定
https://mimasuzushi.shopinfo.jp

味処うめしま
Umeshima
自社牧場直送の新鮮な壱岐牛をリーズナブルに提供

ミネラルが豊富な潮風を浴びて育った柔らかな肉質の「壱岐牛」を新鮮なまま低コストで食べられる牧場直営レストラン。「ミシュランガイド福岡•長崎•佐賀2019」のミシュランプレートにも選出さ れた実力店だ。人気メニューは最高級の「壱岐牛ヒレステーキ」と「特選ヒレ肉の焼肉」。さっぱりとした脂と上品な甘さ、口の中でとろけるような感覚をぜひ堪能あれ。
併設している精肉店では、冷凍便で送ってくれるサービスも受けられる。

Info
長崎県壱岐市芦辺町箱崎中山触2604-86 
Tel:0920-45-3729
営業時間:11:30-14:30(昼)/17:30-21:30(夜)
休日:水
http://umeshima.com

アイランド ブルワリー
Island Brewery
老舗酒蔵が立ち上げたクラフトビール醸造所

明治20年創業の焼酎蔵・原田酒造の5代目が酒蔵をリノベーションして立ち上げたクラフトビール醸造所。“魚に合うビール” をコンセプトに、新鮮な魚介や壱岐牛に合うビールの味わいを追い求める。こだわりがつまった醸造所は、2021年5月のオープンからわずか3年ですでに壱岐島を代表する人気店に。
定番ビールは3種。壱岐焼酎でも使われる白麹を取り入れた自然な酸味が口の中で広がる「GOLDEN ALE」、苦味だけではなく香りを楽しめる「IPA」、壱岐産の華やかな柚子の香りが立ちのぼる「YUZU-KOJI ALE」。加えて期間限定で販売しているシーズナルビールが3、4種。まずは、3種のビールをスモールグラスでいただける飲み比べセット(定番3種類/定番+シーズナルビールの中から3種)でお試しを。

Info
長崎県壱岐市勝本町勝本浦249 
Tel:0920-42-0010
営業時間:10:00-22:00(L.O. 21:30)
休日:無休
https://iki-island.co.jp

睦モクヨンビル D・D カフェ
Mokuyon Bld. D・D cafe
泊まって遊べる木造建て癒しのビル

2023年4月にオープンしたばかりの日本初木造あらわし4階建て「モクヨンビル」。1階は北欧風カフェ、2階はひのきの香りに包まれた宿泊施設、3階はワークショップも開催されるコワーキングスペース、 4階は様々な用途で利用できるレンタル個室。異なる用途の4フロアが解放感を感じる吹き抜けに。全館に無垢材を使用しているため癒しを感じる空間になっている。また、脱炭素社会に貢献できる木造ビルとしてサステナブルな視点からも注目を集めている。
カフェでは、どんぐりサイズの「どんぐりドーナッツ」、壱岐牛のすじ肉を十数種類のスパイスでじっくりと煮込んだ「しんちゃんカレー」が人気。

Info
長崎県壱岐市郷ノ浦町片原触407-1 壱岐湯川温泉前
Tel:0920-47-1819 (営業時間外 : 090-2505-0999)
営業時間:10:00-18:00(カフェ*ほかは24時間営業)
休日:水木(ほかは年中無休)

VISIT
勝本
Katsumoto

勝本朝市
Katsumoto Morning Market
街歩きを楽しみながらお土産探し

ディープな壱岐を体感したいなら、勝本浦の商店街の店先で開催されている「勝本朝市」へ。毎朝午前8時頃から地元の女性たちが集まって、朝採れ野菜や海産物など、各々自慢の食材を店先に並べていく。自家製のたれに浸けた干物や、自家製瓶詰などここでしか買えない珍しいものに出会えることも。
また、昭和の香りが残る少しレトロな商店街を散策するのも一興。下條くだもののジャムをはじめ評判のお店も多いため、街歩きをしながらちょっといいお土産が見つけられるかもしれない。

Info
長崎県壱岐市勝本町勝本浦204 
開催時間:8:00頃-11:00頃まで
休日:無休
※悪天候の場合は出店されていないことも。

小島神社
Kojima Shrine
潮が引くと海が割れ砂の参道が現れる

海に浮かぶ小さな島「小島神社」。干潮時の前後数時間だけ(チャンスは1日に2回)、神社本殿まで陸つづきになり参拝することができる。太陽と月の引力によって神様にご挨拶ができるという神秘的な神社は、鳥居の向こう側に鎮座する島全体が神域とされ小枝すら持ち帰ることは禁忌。島の裏手の階段を登っていくと本殿が祀られていて、五穀豊穣、安産祈願、恋愛成就にご利益があるとされる。直書きの御朱印をいただく場合は事前予約が必要。宮司さんの都合によっては受け取ることができない場合あるので必ず確認を。

Info
長崎県壱岐市芦辺町諸吉二亦触1969
Tel:0920-45-1263(御朱印予約)

猿岩
Saruiwa
島の伝説に登場する壱岐のシンボル

島の西端、黒崎半島の先端にそびえる高さ約45メートルの巨大な玄武岩(火山岩の一種)。長い年月を経て海や風雨に削られた姿は猿の横顔に酷似していることから「猿岩」と名づけられたそう。背景にある紺碧の海とのコントラストが美しく、壱岐島随一の観光名所と讃えられる。島に残る伝説では、巨大なこの岩は“生き島(=壱岐島*動く島だったと言い伝えられている)”の動きを止めるために打ち込まれた8本の杭のうちのひとつだとされている。
猿岩の駐車場には、壱岐の名産品を扱う「おさるのかごや」という土産屋も。

Info
長崎県壱岐市郷ノ浦町新田触870番地

筒城浜海水浴場
Tsutsukihama Beach
壱岐島随一の美しさを誇る白砂ビーチ

約600メートルにわたってつづく、きめの細かい白砂の海岸。透明度が高く「日本の快水浴場100選」、「日本の渚100選」にも認定されるほど素晴らしい。夏にはビーチ内に海の家が設けられ、マリンジェットやバナナボートなどの人気のアクティビティが楽しめる。軽食やドリンク類の販売、パラソル、浮き輪のレンタルなどのサービスも充実。
冬季は(10月下旬~2月末)、水平線から登る美しい朝日を見ることが可能。冬に訪れるなら必見。

Info
長崎県壱岐市石田町筒城東触1916-1

ほらほげ地蔵
Harahoge Jizo
壱岐島の東端に位置する観光スポット

八幡浦の海中に祀られ、満潮時には胸まで海に浸かる6体の地蔵尊。お腹に穴が開いている(この地域の方言で「はらほげ」という)ことからこの名前がつけられたそう。6地蔵は六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天)において衆生の苦患を救う6種の地蔵といわれているが、いつ、誰が、どのような経緯で作ったものなのかはっきりとしたことはわかっていない。遭難した海女の冥福のため、捕獲された鯨の慰霊、疫病退散祈願のため、など諸説ある。「ちょっぴりシュールでかわいい」と、若い観光客の間で人気だ。

Info
長崎県壱岐市芦辺町諸吉本村触1342番地

BUY
川島栄月堂
Kawashima Eigetsudo
島の人が「美味しい!」と口を揃える地元の名菓

朝市に出かけるのならば必ず立ち寄りたい製菓店。地元住人におすすめのお土産を聞くと必ず名前が上がるのが、こちらで作られるカステラ生地を使ったお菓子類。餡子をカステラ生地で巻いた壱岐を代表する伝統菓子 「かすまき」のほか、カステラ生地の真ん中に生クリームとカスタードを入れた「アルプス」(季節限定12月〜5月初旬まで)も絶品。オーソドックスな「カステラ」に至っては長崎一との呼び声も。いずれもすぐに売り切れてしまうため地元民でもなかなか入手困難なのだとか。まぼろしのお菓子を手に入れたいなら午前早めの時間が狙い目だ。

Info
長崎県壱岐市勝本町勝本浦231
営業時間:8:00-19:00
休日:不定

下条くだもの店
Shimojo Fruit store 
旬の素材のよさを生かした手作りジャムを販売

店に並ぶ商品は、壱岐産のものを中心に、店主自らが足を運び厳選した野菜と果物。本当に美味しく新鮮なものを扱うお店として地元民からの信頼が厚い「下條くだもの店」は、朝市通りに位置。
勝本に人を呼ぶ仕掛けとして旬の果物や野菜で手作りジャムを売り出したところ口コミで評判が広がり、今では壱岐島のお土産の定番に。これがまた美味い!
ここでしか手に入れられないジャムを求め「ジャム兄さんのお店はどこ?」と勝本を訪れる観光客も。年間で約40種類も作られるジャムは、旬の食材で作られているため、何があるかは来店してからのお楽しみだ。

Info
長崎県壱岐市勝本町勝本浦192
Tel:0920-42-0231
営業時間:7:00-20:00
休日:無休
https://shimojo-kudamono.shopinfo.jp

壱岐の蔵酒造
Ikinokura Distillery
美味しい水と上質な穀物が育んだ壱岐焼酎

壱岐は、500年もの歴史を誇る“麦焼酎発祥の地”。せっかく島を訪れたならば、日本が世界に誇る「壱岐焼酎」をご賞味あれ。その特徴は、麦の香りと米麹のやわらかな甘味が感じられる深い味わいだ。温暖な気候と豊富な地下水、広い耕地など豊かな自然の中で育まれた壱岐焼酎の酒蔵は、明治時代にはなんと55軒もあったという。その後、酒税法が改正され免許制となり各家庭での焼酎造りが禁止に。現在、壱岐の焼酎蔵元は7軒。どの蔵も伝統の製造法を守りながら、独自の個性や美味さを追求している。
今回ご紹介するのは、その1軒「壱岐の蔵酒造」。“酒質の向上”、“壱岐焼酎を全国へ発信すること”を目的に、1984年に歴史ある6つの酒蔵を協業化させ、各々の300年の伝統技術を融合させた最強の焼酎職人チームだ。

6つの蔵が受け継いできた技術の集大成ともいうべき代表銘柄は「壱岐の島」。香ばしい麦の香りとほのかな甘味の絶妙なバランス、減圧蒸溜らしいすっきりとした味わいは、どんな料理にも合うと評判。また、フルーティーな味わいとやさしい口あたり、そしてすっきりと飲みやすい「壱岐っ娘」は、女性へのお土産としても人気。世界的イラストレーター・長岡秀星氏が描いたラベルも目を惹く。扱う焼酎は、種類が豊富でそれぞれ味わいも異なる。酒蔵に併設された販売所「IKINOKU・LABO」では、壱岐焼酎やリキュールの試飲ができ、気になるものを試してから購入することが可能だ。「焼酎は苦手で……」という方も、ぜひお試しを。フルーティなものや低アルコールのマイルドな焼酎も。スタッフさんに味の好みを伝えるとおすすめの銘柄を教えてくれる。また、壱岐焼酎の歴史や製造工程を知れる、蔵見学(工場見学)も可能。参加希望の方は電話でアポイントを。

Info
長崎県壱岐市芦辺町湯岳本村触520
Tel:0120-595-373
営業時間:9:00-16:30
休日:無休
https://ikinokura.co.jp
*蔵見学希望の方は、お電話にて予約を。(見学料無料)

壱岐うみかぜ農園
Iki Umikaze Farm 
別名「医者要らずの木」とよばれる
スーパーフードを知る

近年、世界中で注目されているスーパーフード「モリンガ」をご存知だろうか。モリンガは90種類もの栄養素を含む“奇跡の木”または“生命の木”と呼ばれる植物で、飢餓を救うといわれるほどの万能食材。伝統医学「アーユルヴェーダ」でも300もの薬効があるとされ、なんと紀元前から幅広く利用されていたとか。中央アジアで多く収穫される植物という印象があるこのモリンガ。温暖で豊かな土壌の壱岐で上質なモリンガを育て加工している場所がある、と密かな話題に。そんな噂を聞きつけ訪れたのが「壱岐うみかぜ農園」。広い畑の中に民家が1軒。お店らしき建物を目指して訪れると、道を間違えてしまったのかと不安になるがご安心を。店主・松本さんがやさしく客人を迎え入れてくれる。ここでは、モリンガを加工した商品の購入はもちろん、栽培風景を見学しながらモリンガの効能や取り入れ方を詳しく説明してくれる。

もともと別の土地で暮らしていた松本さんが島に移住し「うみかぜ農園」を始めたのは2015年。なんと75歳を過ぎてからだという。「私がモリンガに出会ってから約20年、医者いらずで風邪ひとつ引かずに過ごしています。おかげ様で80歳を超えても健康です(笑)」(松本さん)。確かにお顔の肌艶がよく、ご自身で畑仕事をこなすほどの体力の持ち主で、姿勢もいい。こちらで栽培される壱岐産のモリンガが上質と言われる理由を伺うと「酵素栽培という技法を取り入れ、農薬・添加物を使わず安全・安心な食材であること。そして太古の溶岩が流れでてきた島の土は、鉄分、ミネラルを豊富に含んでいます。おだやかな島風と日の光をいっぱい浴び、すくすく育ったモリンガは、高い栄養素を含むんです。また、自社農園という利点生かして、品質の劣化や変色を防ぐため、収穫後9時間以内には粉砕加工前の乾燥状態まで仕上げています」(松本さん)。体の中に溜め込んだ毒素を排出し、内側から美しくなるというモリンガは、パウダー、蒸留水、生酵素、キャンディー、麺類などに加工され販売されている。健康・美容が気になる方はぜひお試しを。

Info
長崎県壱岐市勝本町北触1065 Tel:090-9498-0096
営業時間:9:00-17:00
休日:土日
https://umikaze-moringa.com

Photo Gallery

Iki Island Map

食べ物が美味しく、景勝地が豊富で、神社が1000社以上あり、パワースポットも多く、歴史も長い。2時間あれば島を一周できてしまうほどの小さな島ではあるが、旅を楽しむバリエーションが豊かな壱岐島を訪れるなら2泊3日の滞在がおすすめ。レンタカーを借りて島内の移動をするのが一番スムーズではあるけれど、バスやタクシー、レンタサイクルなどの利用も可能だ。壱岐島の美味しい魚介、牛肉、焼酎をすべて網羅しつつ、その地域にある景勝地を見てまわり、日本屈指の温泉も体験するという、食を軸とした島巡りがおすすめ。
それ以外にも壱岐島を楽しむプランはいくらでも! 神の島といわれる場所で、パワースポット巡りや、御朱印帳を携えて神社をまわる目的の旅もアリ。夏の旅ならば美しいビーチをハシゴするのもおすすめ。歴史好きならば弥生時代の遺跡や古墳を見てまわるのも楽しい。春~秋の雲丹の時期には、雲丹を食べ歩くプランも最高。ただのんびり美しい景色を眺めて癒されるのも素晴らしい。バリエーションが豊富な壱岐の旅、ノープランで出かけて好奇心の赴くまま、というのも妙案だ。今回壱岐を紹介したことで、日本の離島に、こんな素晴らしい場所があることを知ってもらえれば幸いだ。

Seasonal foods in Iki Island

The Best Souvenirs

市街地や港周辺のお土産屋のほか、ホテルやスーパーの壱岐産品コーナーでもお土産を購入することが可能。フェリーターミナル内にも土産物店が入っているので、帰りの船を待つ間に手軽に購入するのが便利だ。人気のお土産は、贅沢な生ウニの瓶詰、鯵の干物、スルメイカ、あおさなどの海藻類、塩などの「海産物」。お菓子類では餡子をカステラで巻いた壱岐の伝統菓子「かすまき」。酒好きには「壱岐焼酎」。そして勝浦の商店街でしか買えない「下條くだもの店のジャム」もおすすめ。

PHOTOGRAPHY: Yoko Takahashi
TEXT: Mayumi Amano

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